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エッジAIがミツバチを育む

2021/09/09
エッジAIがミツバチを育む
HOW AI CAN SAVE THE BEES ?

アメリカの「Environment America Research & Policy Center」によると、近年、養蜂家は毎年冬にミツバチのコロニー全体の平均30パーセントを失っていると報告しています。 これは、経済的に許容できると考えられる損失の約2倍です。 同センターはまた、野生のミツバチの個体数自体も同時に減少していると報告しています。

 

Environment America Research & Policy Center」によると、私たちは世界の食糧の約90%を供給する 100 種類の作物のうち、71 種類の受粉をハチに頼っています。蜂の巣の機能不全の様々な原因を見てみると、損失の 25% から 40% は女王蜂の機能不全によるものです。他の原因は、環境リスク、栄養不良、寄生虫、病気にさかのぼることができます。

では、将来の蜂の巣の損失を抑えるために、蜂の巣の健康状態、蜂の行動、女王蜂の失敗について、どのようにして詳しく知ることができるのでしょうか。革新的なソフトウェアとサービスを通じた分析のリーダー的企業である SASは、このような疑問に答えようとしました。

 

世界で最も差し迫った問題を解決するためにデータと分析を使用するというコミットメントの一環として、SASはミツバチの損失を遅らせるために、ミツバチの巣の健康状態についてより多くの情報を得る必要がありました。ミツバチの巣を分析することで、ミツバチの減少を遅らせる実行可能な目標に向けて、さらなる洞察を得ることができます。

SASが蜂の巣の健康をモニタリング・追跡する目的として、以下のようなものがありました。

 

  • ミツバチの巣の健康状態を把握
  • ミツバチと巣箱の側面を測定し、数値化
  • 飼料の利用可能性についての洞察
  • 植生の開花時期を決定
  • ハチの行動に与える影響を観察
  • 蜂の巣の重要なイベントを検出

 

これらの目的を達成するため、SASは機械学習、人工知能(AI)、視覚分析などの IoT 技術を効果的に活用しなければなりませんでした。また、蜂の巣の健康状態の全体像を把握するため、同社は以下のようなさまざまな IoT データを収集、可視化、分析する必要がありました。

 

  • 従来のセンサデータ:蜂の巣箱の重量・温度・湿度
  • 蜂の巣の中からのオーディオストリーム:音響分析
  • 蜂の巣の外からのビデオストリーム:コンピュータビジョン
ソリューション
エッジコンピューティング

SASは、蜂の巣の外のストリーミングデータからマシンビジョンデータの処理を支援するため、アドバンテックのエッジAI推論コンピュータ「MIC-720AI」を採用しました。この「MIC-720AI 」は、NVIDIA® Jetson™ プラットフォームを搭載した「MIC Jetson シリーズ」のシステムを採用しています。このコンピュータとセンサを使用し、ノースカロライナ州カリーにある SASのキャンパス内にある蜂の巣から必要なデータを収集。また、健康状態、ストレスレベル、群集活動、女王蜂の状態を示せる巣箱の音を「聞く」ために、機械学習モデルを利用しました。

MIC in Bee Box
高いGPU性能と産業グレードの耐久性

「MIC-720AI」はワークステーションで必要となる高いGPUパフォーマンスを、組込みモジュールを利用して取得できます。くわえて、産業グレードの振動と高温に耐えることができ、モジュール式のコンパクトサイズの設計になっています。このプロジェクトでは、現場の耐候性の高い筐体に入れることで、高温多湿に耐えることができました。

RPCA

個々のハチの姿や巣箱の音など、ライブストリーミングで収集されたデータは、詳細で綿密な性質を持っているため、SASの専門チームは AI の機械学習技術である『RPCA(ロバスト主成分分析)』を利用しました。『RPCA』により、草が風で動いている場面で、前景のミツバチの画像を背景の草から分離することに成功しました。

効率的なデータ通信

産業グレードのエッジAI推論コンピュータ「MIC-720AI」により、エッジでデータを収集し、ダッシュボード上で蜂の巣のリアルタイム分析が可能になりました。さらにセルラー方式のネットワーク接続でデータ結果を送信することで、効率的なデータ通信を実現しました。生のライブ映像だけではなく、映像のデータ分析結果を得たいSASにとって、現場データのリアルタイム分析は、SASが注力するコンピュータビジョン分野で特に重要となります。

アドバンテックが選ばれる理由
  • GPUの互換性:GPUカードとの互換性を保証
  • 産業グレードの信頼性:防振、防塵、高温動作に最適な設計
  • 容易な導入:コンパクトでメンテナンスが簡単
MIC-720AI

NVIDIA® Jetson™ Tegra X2 256 CUDAコアをベースとしたAI推論コンピュータ

  • NVIDIA® Jetson™ Tegra X2 256 CUDAコアを搭載
  • 2x USB 3.0ポート、1x 内部 USB 2.0
  • 1x IEEE 802.3af POEポート
  • Linux OS&BSP(ボードサポートパッケージ)
  • 深層学習のトレーニング済みモデルをサポート
  • 幅広い動作温度に対応:-20 ~ 60 °C

「MIC-720AI」は、システム・オン・モジュール・プロセッサ「NVIDIA® Jetson™ Tegra X2 」と統合されたARMベースのエッジAI推論コンピュータです。NVIDIA® Pascal™ アーキテクチャ上で256個のCUDA®コアを提供し、低消費電力で豊富なI/Oをサポートするエッジアプリケーション向けに設計されています。

 

8GB LPDDR4メモリ、4K ビデオデコード/エンコード、USB3.0 x 2、PoE(Power-over-Ethernet)、mSATA 拡張スロット x1 を搭載しています。ウォールマウント用のブラケットとファンレス設計により、過酷な環境にも容易に設置できます。この小型の組込みコンピュータは、エッジAI推論やディープラーニングのアプリケーションに最適なソリューションです。

About Case Study

アドバンテックでは、産業用に利用されるAIやIoTの様々な事例をグローバルに共有・発信しています。

お客様やエコパートナー様におけるサステナブルな社会の実現、ソーシャルニーズの解決に貢献致します。

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